ハワイアン・パニック



私が海外旅行に行ったのは、ハネムーンが初めてでした。場所はハワイです。
その時の珍道中を書きたいと思います。

よく、海外に詳しい奥さんが、初めての海外で頼りにならないダンナに失望して成田離婚なんつ〜話も聞きますよね。その点、ウチらはどっちも初めてだったから、そういった問題はありませんでした。二人してオロオロするのは何度もあったけどね・・・・・。

滞在中は全部、自由行動というツアーで行きました。現地に到着すると、最初に注意事項などの説明を受けます。そして、解散して自由行動です。

何もかもが初めてづくし、そりゃぁ期待と不安で胸がいっぱいでしたよ。まずは予約してあるホテルにチェックインして、それから遊びに向かう事にしました。

ホテルまではツアー会社のバスが出ています。同じ考えの人達が乗り込むのを見てウチらも後に続きました。最初にムダを省きたかったのか、みんなに利用するホテル名を尋ねてきます。

「ヒルトンを利用される方はいらっしゃいますか?・・・・・はい。それではシェラトンを・・・」

順次、利用するホテルを呼ばれる度に手をあげる人達。呼ばれない・・・・そう
ウチらのホテル名が出てこない。宿泊費を安くしようと、ウチらはメジャーな所を予約しなかったのだ。もっとも、ハネムーンで行くだけに、窓から海が見えるオーシャン・ビューだけはこだわったけどね。(笑)

「今、呼ばれなかったホテルの方はいらっしゃいますか?」

思いっきり、ハ〜イ!ハ〜イ!!と手をあげたのは、言うまでもないでしょう。
ウチらの利用するホテル名を聞いた後、バスが発車しました。最初から、あせらせてくれます。次から次へとホテルをまわり、次第に客が減っていきました。
そして、シェラトンの前に着くと・・・・・。

「は〜い。お疲れさまでした」

ウチらを除いて、残りの客はシェラトンの中へ消えていきました。え、えぇ?

「あの〜、ウチらのホテルは・・・・・?」

それは、あわてますよ。いきなり右も左もわからない異国の地で、見放された気になってしまったんだから。(泣)結局、ウチらのホテルはシェラトンのすぐ裏にひっそりとあったんですが・・・・・。

それからは、この時とばかりに銃を撃ちに行ったり、美味しいものを食ったり、ショッピングを楽しんだりと平和に時間が過ぎていきました。たまにワイキキ・ビーチで麻薬を売りにくる売人に声をかけられ、ビビる事もあったけどね。

しかしハワイに来て二日目の夜、突如、私は腹痛に襲われたのです。それは、今まで体験した事のない激痛でした。大袈裟ではなく、本当に一晩中私はのたうちまわっていたんです。翌日になっても痛みはひかず、予約していた潜水艦も乗れなかった・・・・・。その日は一日、寝たきりでした。(涙)

どうやら、調子にのってハンバーガーを食い過ぎたのと、精神的なものが原因で腹痛になったようです。唯一の救いはベランダに遊びに来てくれたハトでした。

だって、緊張してたんっす!ここは外国、気を抜いちゃイケナイ!!カミさんと我が身は私が守るのだ〜・・・・・と気をはってたんだよう。

オマケにO型の人間ってのは、場所見知りが激しいものなんだ。勝手のわからない土地に連れていかれると、借りてきた猫みたいになっちゃうものなんだ!!

おかげで私は結局、ハワイの美しい海に一度も入らなかった。カミさんが、ちゃぷちゃぷと泳いでいるのを遠目に見ていただけである。

それからウチらが、おみやげを買いにワイキキの街を歩いていたら、謎の関西弁
のオバさんに、さらわれてしまうという事件もありました。(笑)

Tシャツとか、アクセサリーを免税店より安くしとくよ、と言われてついて行っちゃったんすよ。大通りに面したビルの、たった一軒隣だった事もあり、ま、いいかとね!彼女の店は、汚いエレベーターに乗り、2階にありました。

オバさんが言うには、ワイキキで一番古いエレベーターだそうだ。(笑)
何も買わずに出るには気がヒケたんで、Tシャツだけ買いました。

ところが、店を出ようとしたら鍵がかかっていたんですよ。マジでヤバイ、と思いましたね、あの時は。でも、すぐに開けてくれました。

なんの事はない、女性が一人でやってる店なだけに、用心の為にしていただけらしい。ウチらとしては本気でビビったけどね・・・・。

翌日もウチらが街に出ると、謎の関西弁のオバさんは元気に次のカモを探していました。(笑)なんにせよ、楽しい思い出です。



闇鍋倶楽部
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